
前回、私たちの行動を見直すときに役立つ「ダブル・ループ学習」をご紹介しました。
今回は、ダブル・ループ学習の中の「行動を支配する価値観」、つまり、「行動理論」がどうやってできるのかをみていきましょう。
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※動画の内容と、下のテキストの内容は同じです。
前回ご紹介した「ダブル・ループ学習」では、うまくいったときも、そうでないときも「行動」だけではなく「行動を支配する価値観」まで踏み込んで観察・修正をすることが大切だとお話ししました。
この「行動を支配する価値観」つまり、行動理論がどうやってできるのかを理解していきましょう。下記の行動理論改革モデル®を使ってご紹介します。

上記の図は、わかりやすくするために、「行動理論改革モデル®」を少し簡単にしたものです(左上にある図が、正式な「行動理論改革モデル®」の図です)。
人は、様々な状況において、その人の性格や素養を背景にしながらも、その人なりの判断、多くの場合は無意識に判断をして、状況に応じた行動をとります。この判断の基準となる信念のことを「行動理論」と言います。ダブル・ループ学習で言えば、「行動を支配する価値観」のことですね。
例えば、第2話でご紹介した「O-PDCA」の「O」。つまり、目的を忘れない、という話でご紹介した営業パーソンの場合を思い出してみましょう。
普段は「お客様の生産性向上」が目的だとわかっていて、そのための営業活動を実践できています。つまり、普段のこの営業パーソンの行動理論は「お客様の生産性向上を第一に考えよう」というものです。
ところが、いざ目標の達成が難しくなってくると、この営業パーソンは「お客様のことは忘れてどんな手段でも売ってやろう」という判断基準で動いてしまうのです。この時の営業パーソンには「業績が厳しいときは、お客様より自分の数字を優先しよう」というような行動理論が働いているのでしょう。
このように、状況によって行動理論が変わると、取る行動が変わってしまうのです。
ただし、他の人の中には、同じような状況でも「やっぱり、お客様の生産性向上を第一に考えよう」という行動理論を選択する人がいることも考えられます。
このように「その人なり」の信念がある。というのが行動理論なのです。
このような「行動理論」は、どうやってできるのかというと、生まれながらに持っているものではなく、成功体験や失敗体験、学んだ知識や感動したことなどを通じて、後天的に形成されます。自分の価値観として定着していくことから、行動理論ができていくプロセスのことを「価値観化」と言います。そして「価値観化」のプロセスでは「頭ではわかっている」という状態と「おなかの底から納得している」という状態を行ったり来たりしながら、多くの価値観が形成されます。
その中から、「行動選択をするときの判断基準として使われたもの」を「行動理論」と言うのです。
特に、人にはたらきかける場合を考えてみてください。
人に働きかける場合には、機械のスイッチと違って、ここを押せば、こう動く。
という法則が決まっているわけではありません。だからこそ、自分なりの行動理論を使って「こう働きかければうまくいくだろう」と考え行動を選択します。
ところが、それは、良い結果をもたらす行動理論もあれば、あまりうまくいかない行動理論もあります。自分は、こういう時にうまくいかない傾向があるな。と思ったら、それは、行動理論を変えた方が良いかもしれません。
しかし、行動理論を変えた方がいいといっても、あなたはこう思いませんか?
「人は、そんなに変わらない」「人の性格はなかなか変えられない」と。
確かに、生まれ持った性格を変えるのは難しそうですよね。
でも、行動理論ならどうでしょうか。
自分が得た知識や経験から後天的にできたものなので、変えることができるのです。
次回は、行動理論を変えるにはどうすれば良いかをご紹介します。
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