
「お役立ち道」とは何か?あらためて確認してみましょう。
・「自分を高め」続けていますか?
・「社会をより良く」を目指してますか?
・「仕事を謳歌」していますか?
「お役立ち道(どう)」とは「お役立ちの精神と技量を究め続けること」で、株式会社ジェックが提唱する概念です(「お役立ち道の原点 奪い合いからお役立ち合いへ」『行動人』2018.3, p.4, ジェック)。
多くの人は「誰かの・何かの役に立ちたい」という想いを持っています。あるいは、特に意識をしていなくても、自分が取った行動が他者から感謝されたり頼られたりしてうれしかったという経験は誰しもあると思います。「向社会的モチベーション[1]」という研究も進んでいるように、役立つという行為が自分自身の喜びや生きがい、やりがいにつながっていることも多いことがわかります。
向社会的モチベーション
[1] 「向社会的モチベーションは向社会的行動[2]に対するモチベーションを意味する。(Baston, 1987)」
[2] 向社会的行動とは、「他者に利益・恩恵をもたらす行為(Schroeder & Graziano, 2015)」
注釈[1] [2]引用 : SHIN Hayoung(2021), 『日本労務学会誌』2021年21巻2号,
「向社会的モチベーション研究レビュー―概念定義と組織行動研究への適用を中心に―」, J-STAGEhttps://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja (2024.2.22閲覧)
「お役立ち道」の「道」とは、日本の伝統的な芸術や技術の修行方法を指し、それは単に技術の習得の域を超え一生涯の自己成長と人間性の向上を目指すものです。
「お役立ち」は、「役に立つ」または「役立った」という状況や結果を指す言葉ですが、「お役立ち道」は、剣道や柔道、華道、茶道などと同じように、一人ひとりが「お役立ち」を実現するために自己を練磨し、究めていくという意味を込めています。自己成長を通じて、周囲に対する貢献を深め、その過程も含めて自分も他者も幸せになることが「お役立ち道」です。
お役立ち道が目指すことは、「お役立ちに満ちたより良い社会づくり」です。
近年、世界的に、誰もがその人らしく生きることができる社会や、持続可能な社会を目指して、SDGsやSociety5.0、社会課題解決などに関心が集まり、行動を起こす人や組織が増えています。その動きは、国や企業が先頭に立つばかりでなく、個人の活動によって大きなうねりになりつつあります。また、科学技術の発達により、同じ想いを持つ人とつながることができたり、思い描いたことが実現できたりする可能性が高くなったというのも、これらを加速させる要因となっています。
こういった社会背景のもと、私たちビジネスパーソンは、仕事を通じて、それぞれが持つ「誰かの・何かの役に立ちたい」という気持ちをつなぎ合わせることで、「社会をより良くする新たな価値の創造=お役立ち創造」にチャレンジできるようになりました。それは、私たち一人ひとりが自分らしさを発揮し、活き活きと輝くことにもつながります。
私たちはともすると「仕事は辛いもの」という思考に陥りがちです。元来、人は何のために働くのか、永遠に正解のない問いかけですが、働く以上は、「お金のため」「生活のため」だけでなく、やりがいや喜びやそれ以上のものを得たいものです。お役立ち道では、「お役立ち創造」を通じて自分自身が仕事を謳歌することも目的の一つです。
「謳歌」には三つの意味があります。(デジタル大辞泉 小学館 2025.7.7閲覧)
上記3で言われているように、重要なのは、自分一人が仕事を大いに楽しみ喜ぶのではなく、「みんなで」というところではないでしょうか。
誰かの・何かの役に立ち、仕事を謳歌するということは、決して、自分自身の健康や時間や幸せを後回しにしたり犠牲にしたりして、何かに尽くすことではありません。自分らしい役立ち方を見つけ、役立とうとする過程も含めて自分も含めた「みんな」が幸せになることこそ「お役立ち道」なのです。
「お役立ち道」は、自分がワクワクする「社会をより良くする自分らしい役立ち方」を決めることからスタートします。それを「お役立ちイメージ」といいます。以下、作り方を簡単にご紹介します。
お役立ちイメージの詳しい作り方 >> お役立ちイメージ作成ガイド
お役立ちの源泉とは、自分が夢中になれるモチベーションの素のことです。これまでの自分の体験で、何に夢中になったかを沢山洗い出し、夢中になった理由の共通項を探ります。
自分はどのような社会をつくりたいのか、それを実現するための自分の強みや役割は何か(お役立ちの源泉)、仕事を通じてどんな風に役立ちたいのか(所属している組織のお役立ち使命のどんな点に共感できるか)を考え、自分自身の「お役立ち使命」を言葉にします。
長期的視点で、どのような社会を実現したいか、そのためにどのようなお役立ち創造にチャレンジをしたいかという「お役立ちビジョン」を決めた後、長期・中期・短期の順に、目標と計画を立てます。短期から発想すると現状に囚われてしまいがちですが、長期から発想することで、イノベーションが起きやすくなります。
さらに、新たにどんなスキルを身に付けたいか、どんな行動理論(人に働きかける場合、本人の思考プロセスと行動選択における判断を方向づけている、その人なりの信念<心得モデル、因果理論、観>のこと)を持ちたいか、などの成長課題も設定しましょう。

お役立ちイメージが描けたら、行動を起こしていきましょう。その心がけをご紹介します。
お役立ち道の詳しい実践法 >> お役立ち道実践ガイド
「自分にも他の人にも、お役立ちの意識がある。その人らしい素晴らしさがある」と信じて、お役立ちにチャレンジし続ける。
「自分の仕事はより良い社会づくりにつながっている」と仕事に意味付けをし、その道のプロになるための地道な努力を惜しまない。
チームの一員として、自分の強みで周りに好影響を与えられる“コォ・イノベーター(革新の協力者)”となり、「社会をより良くする新たな価値を、共に創り続ける」組織文化(お役立ち道の文化)づくりに貢献する。
あらゆるステークホルダーと、「同じものを見て(目指して)、一緒に考えて創る」という、「共創のパートナー」関係を築き、お役立ち共創の無限サイクルを回し続ける。
お役立ち道実践のセルフマネジメントと、メンバーとチームのお役立ち道の仕事ぶりを高めるためのラインマネジメントの両輪で、仕事を謳歌し成果を上げられる組織をつくる。
これらを完璧にできる人は、そう多くはありません。しかし、これらを意識し、より良い社会の実現を目指して、自分にできることを仲間と力を合わせて実現しようと日々行動することで、成長につながり、状況も変わってくることでしょう。
迷いやためらいも受け止めながら、決して「お役立ち道」から外れることなく、より良い自分と社会が実現できる可能性を信じて歩んでいきましょう。
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